株式会社Rememberの取り組みについて

株式会社Remember代表・前川航太朗からの情報発信です。

孤立状態から多様性のある環境へ

人の健やかな成長は誰もが望むことだと思います。

 

このために必要なことは幾つかの要因がありますが、

私たちは第一に「多様性のある環境」が必要だと考えています。

 

「多様性」は人がバランスを取っていくために必要です。

 

ここでいう「多様性」とは、

いろんな個性や性格、価値観を持った人がいるということです。

 

不登校やひきこもりの状況が長い期間続いていた場合、

多くの人は「孤立」した状態で過ごしていたことになります。

 

この孤立状態こそが、

その人の考え方や価値観のバランスを偏(かたよ)らせる原因となります。

 

孤立した状態では、自分と社会との距離を置いている状態であるために、

「~はしたい」「~はしたくない」という自我(じが)を優先できてしまいます。

 

その結果、自分にとって不都合なもの(思い通りにならないもの)を排除した、

自分だけの世界観を作っていくことが可能になります。

 

孤立した状態が長く続けば続く程、

自分にとって都合の良い世界観(マイワールド)が出来上がってしまうのです。

 

このマイワールドで生きる期間が長くなればなる程、

社会一般の考え方や価値観から、どんどん離れていくことが多く見受けられます。

 

もちろん、この「孤立マイワールド生活」が実現するためには、

自分が社会と無理に接することがなくても生きていける環境が必要です。

 

例えば、親の援助であったり、生活保護などの社会保証ですね。

 

ここで問題となるのが、

孤立マイワールド生活者には、3つの課題があることです。

 

1つ目は、彼らの社会保障(親の援助や生活保護)が無くなったとき、

社会に出て生き抜いていけるだけの力が身に付いてないことが多いこと。

 

2つ目は、彼らの中では強い劣等感や自己否定感を持っている人が多く、

幸福感を感じている人が少ないことです。

 

3つ目は、彼らがマイワールドで培った独自のこだわりや思い込みが、

社会一般では受け容れられないことが多いことです。

 

これらの課題を解決するために必要なこととして、

仕事をすること、社会に出すことだという意見が挙げられると思いますが、

 

現実的に彼らにいきなり社会に出て、

仕事をすることを求めることは、余りにも酷な話です。

 

なぜならば、彼らは孤立期間が長いために、

社会の一般常識を本当に知らずに育ってきている人も多くいるためです。

 

「あいさつができない」「声が小さい」「自分の意見が言えない」「トラブルに弱い」

これらは彼らが社会に出てきたばかりの頃の特徴とも言えます。

 

彼らはずっと孤立マイワールド生活をしていたので、

これまで他人とのコミュニケーションが乏しく、

トラブルも起きない生活環境に居たのです。

 

ですが、きちんと多様性のある環境に身を置き続け、

(私たちは最低でも1年以上は必要だと考えます)

 

コミュニケーションやトラブル対応を繰り返していくことで、

社会で立派に活躍できる人材として成長していきます。

 

また、彼らの多くは本当に純粋な心を持っています。

誰かの役に立ちたい、社会に貢献したいという思いが強い人が多いのです。

 

実は彼らは、

好き好んで「孤立マイワールド生活」を送っていた訳ではないのです。

 

ほとんどの場合、学校や会社などでの

いじめや否定・抑圧される環境が原因であったり、

 

両親や関係者、第三者からのコミュニケーション不足・無関心が

原因であるように見受けられます。

 

その結果として、孤立し、バランスが崩れ、

生きにくくなってしまっているだけなのです。

 

彼らを健やかな成長を促すことのできる環境へと

身の置き場所を変えることができれば、

 

自然なペースで、偏っていたバランスが戻り、病気も治っていき、

生き生きとした生活を送ることができるようになります。

 

彼らは、本当に素晴らしい人財なのです。

社会に出ていないだけの、眠っている宝なのです。

 

このことをどうか、皆様にご理解いただきたいのです。

 

話を戻しますが、多様性のある環境に身を置くと、

様々な外部からの刺激(考え方や価値観、言動など)を受けます。

 

これによって、これまでの孤立マイワールドにはなかった、

新しい考え方や価値観に触れ、味わうことになります。

 

私たちはスタッフにも多様性が必要だと考えています。

なぜならば私たちスタッフが彼らにとっての社会の指標となるからです。

 

だから、うちのスタッフは多様性に富んでいます。

 

例えば、日本という枠にとらわれずに海外に留学したり、発展途上国で働いたり、

世界を放浪していた者もいます。

 

また、サラリーマン(給与をもらう形)にとらわれずに、

自ら起業したり、陶芸家として生計を立てていた者もいます。

 

スタッフにも発達障害うつ病と過去に診断された者もいますし、

10年間のひきこもり歴のある者もいます。

 

ただし、多様性のある環境を変えたからと言って、人はすぐに変わるものではありません。

これまでの自分の偏っていた考え方に気付くまでに、まず多くの時間がかかります。

 

さらに、それに気付いてから、

新しい考え方に変化し定着するまでにも時間がかかります。

 

要するに、人の成長には時間がかかるのです。

 

多様性のある環境に十分な期間、身を置くことによって、

ゆっくりとバランスが取れていきます。

 

気をつけていただきたいことは、

親や第三者が正論を言って相手を修正しようとしても、

ほとんどの場合、それは無理な話なのです。

 

他人からの正論によって気付くのではなく、

「自ら気付く」ことによってしか変わりません。

 

自然に、自ら気付いてもらうために、

多様性のある環境が必要なのです。

 

次回は「意欲を尊重する環境」について、記事を書きたいと思います。