株式会社Rememberの取り組みについて

株式会社Remember代表・前川航太朗からの情報発信です。

通所する目的が「わからない」でも大丈夫

<「わからない」が口癖の若者たち>

 

ココカラに来所される方のタイプを分類すると、

大雑把には以下のどちらかに分けることができます。

 

①ココカラに通所する目的が自分なりにあるタイプ

(このタイプは初回面談時に単身で来所することが多い)

②初回は親同伴で来所して、本人は通所する目的が「わからない」タイプ

 

結論から言うと、②のタイプのように

通所する目的がわからなくても大丈夫です。

 

むしろ、①の目的が明確なタイプには、

不安や心配、焦りから、その目的自体が歪んでいる場合や、

かえって自分を苦しめてしまう目的を設定をしている場合があり、

そうした思い込みを修正していく方が実は大変でもあります。

 

②のタイプの当事者と面談していると、

様々な質問をしてみても「わからない」という返答が多いのです。

 

「どういう風に働きたい?」→「わからない。」

「何かチャレンジしたいことはある?」→「わからない。」

 

なぜ、彼らは「わからない」のでしょうか?

 

それは、彼らが、

絶対的に社会での経験値が足りていないからだと思います

 

だから、将来どうやって生きていくのか、

どうやって働いていくのかを

イメージすることができないのです。

 

<社会から孤立してしまう若者たち>

 

何らかの理由があって、社会から孤立することを選び、

不登校状態や自宅にひきこもる状態が続いていると、

社会経験(リアルな人間経験)を積むことができません。

 

家族間のコミュニケーションも希薄なものになっていて、

家族間で感情をぶつけ合ったり、悩みを相談するなどの

時間を共有することも少なくなったようです。

 

買い物をするにしても、

コンビニやネットショッピングが主流となったために、

コミュニケーションをする必要性が喪失されました。

 

今の社会は、コミュニケーションを行わなくても、

お金さえあれば、それなりに生きていける環境に変わりました。

 

その結果、

コミュニケーションに苦手意識を持つ若者たちが増える一方です。

 

そして、彼らは長期的に見ると、次々と孤立化していきます。

人付き合いが上手にできないからです。

 

孤立したとき、本当に頼れるのは親だけです。

親は子の将来を心配しますが、実際にはどうすることもできません。

 

親は悩んだ末に、役場に行って相談するか、

精神科や心療内科を受診することを選びます。

その結果、当事者本人たちは精神疾患発達障害と診断されていきます。

 

そうして、福祉制度が活用できることを知り、

うちのような障害福祉サービス事業所に辿りつきます。

 

これで良いのかと問われれば、

良い訳がないとハッキリと断言します。

 

でも、このような若者たちが増えていることは事実であり、

何より彼らに生きる道標や希望を与えられる環境づくりが必要です。

 

だから、障害福祉サービス事業 「ココカラ」を運営しています。

彼らと接点を持つためには、今の社会構造的に、

障害福祉制度を活用する以外に有用な手段が乏しいからです。

 

<「わからない」を「わかるようになった」に変えるために>

 

ここで話を戻します。

 

社会的に孤立した若者たちは、社会経験が少なすぎるために、

これから実社会で起こることをイメージすることは困難です。

 

だから「わからない」という言葉が出てきます。

これを「わかるようになった」という言葉に変えていくことが重要です。

 

だから、ココカラでは、

様々な経験を積むための環境づくりを行っています。

 

様々な経験とは、

人間関係(上下、同世代、恋愛など)、仕事、自己表現、

問題対処、問題解決、課題の克服、病気の根本からの改善などです。

 

私たちは特別なことをしている訳でなく、

生命の原理原則に則ったことを皆で共有しているだけです。

 

こうした環境である程度の期間、

成長意欲を忘れずに学んでいれば、

わからなかったものが、どんどんわかるようになっていきます。

 

時間はかかりますが、みんな少しずつ解ってきます。

社会の仕組み、人間関係の在り方、

仕事の在り方、生きる意味や目的など。

 

こうしたことを伝えることも、私たちの役割だと思っています。

 

だから、通所する目的が「わからない」でも大丈夫なのです。

「わかるようになる」ための支援環境を整えているからです。

 

ただし、

新しい価値観や考え方を受け容れられる「素直さ」が必要ですが。

本人の意思を何より尊重する

障害福祉サービス事業所「ココカラ」には、

毎月6名〜8名ほどの新規見学者の方が来所されます。

 

来所される方に来所に至った経緯を聞いてみると、

ホームページ、パンフレット(事務所玄関に置いてある)、

うちのメンバーさんからの紹介、病院・関係機関からの紹介、

などが主な理由のようです。 

 

初回面談する際に、

当事者の親御さんや関係者の方が同席することがあります。

 

その場合、必ずお伝えすることがあります。

 

それは、

本人の意思を何より尊重する

ということです。

 

面談では、これまでの経緯や家族関係、

自分の症状や考えられる原因など様々な話をしていきます。

 

そして面談時に必ず本人に直接確認することが、以下の2点です。

 

① 成長したいという意思(覚悟)があるか。

② それは本当に自分の意思なのか。

 

私たちは、生きる意味は人間的成長のためと考えています。

「ココカラ」は人が成長するための場所であることをお伝えして、

その意思があるか、覚悟があるかを確認します。

 

私たちが行う取り組みの特徴であり強みは、

精神的な病気を根本から改善するアプローチを行うことです。

 

つまり病気になる前の元気な状態へ戻していく、

本来の自分に戻していくようなアプローチを行います。

 

そうして、通所する皆さんが障害や病気を根本から改善させて、

福祉制度を(なるべく)利用しないで生きていくことを

目的としていただいています。

 

これはとても理想的なものに聞こえると思いますが、

自分を変えていくということは、

人によっては簡単でもあり大変でもあるのです。

 

だから、結果はすべて本人次第であることも同時に伝えます。

 

今の自分自身と向き合うこと。

たくさんの新たな価値観や考え方を素直に自分に取り入れること。

一生懸命、正しい努力をすること。

 

少なくとも、こうしたことが、

自分の人生をより良く変えていくためには必要だと、

私たちは日々の活動を通じて実感しています。

 

だから、成長したいという意思(覚悟)が必要なのです。

成長する意思がない人がココカラに通所しても変化は起こりません。

 

そして、その意思が本当に本人の意思であることが重要です。

親のエゴ、関係者の想いなどによって、

当事者本人の想いを抑えつけることも実際に多く見受けられます。

 

本人は通所する意思がないのに、

親が通所させたいという気持ちが強すぎる場合が多いのです。

 

こうした場合、私たちはハッキリとお断りしています。

 

はっきりお伝えしますが、

親の想いと本人の想いは違うのです。

そして私たちは、本人を意思を何より尊重します。

 

親が同席する面談では、

当事者本人の意思よりも、

親が自分の想いを優先させようとする場合があります。

 

こうした際には、私たちは

親御さんに対して厳しく指導することも多々あります。

 

それは、分かってほしいからなのです。

本人がより良く変わっていくためには、

「親に言われたから」などという動機では不十分なのです。

 

自分自身が覚悟を持って、

「私は変わる!成長したい!」という

強い意思が必要なのです。 

事業③:コミュニティ部門

 Rememberでは、以下の3つの事業を行っています。

 

障害福祉サービス部門「ココカラ」

② 農業部門「ココカラファーム」

③ コミュニティ部門 ※2018年度から少しずつ活動開始予定

 

3つの事業はすべて関連性があります。

今回のブログでは、③のコミュニティ部門についてお伝えします。

 

◇◇◇

<コミュニティとは>

 

まず、コミュニティについて説明します。

コミュニティとは、生活共同体のことです。

 

集まった人たちがそのコミュニティにおいて、

お互いの支え合いを軸に協力したり助け合いながら

持続可能な生活環境づくりを行うということです。

 

分かりやすく言うと、小規模の村みたいなものです。

大きく分けて2つのコミュニティの形があると思っています。

エコビレッジ型」と「居住者ネットワーク型」です。

 

エコビレッジ型のコミュニティ>

 

エコビレッジ型の特徴を簡単ながらいくつか挙げてみます。

 

◯住人がコミュニティ全体に対して何らかの貢献をすることが前提で、

 お互いに支え合い、助け合いながら、持続可能な生活形態を実現している。

 

◯環境に配慮した有機農法や自然農法などを行いながら、

 食糧自給を高いレベルで行う農的なコミュニティが多い。

 

◯コミュニティ全体として組織化している場合が多く、

 住人は特定の場所に集まって共同生活をしている。

 

◯エネルギー自給についても、持続可能性を追求することから

 太陽光や風力などの自然エネルギーをなるべく取り入れている。

 

◯各エコビレッジごとに大切にしている理念や目的がある。

 

エコビレッジ全体としてきちんと収益性があり、

 経済的な問題も解決している。

 

◯数十年前から続いている多くは田舎地域に存在しているが、

 最近の動きとして都市部にも存在しているものがある。

 

エコビレッジ型コミュニティは

日本にも海外にも数多く存在しています。

 

代表的な例としては、

国内では「木の花ファミリー」、

海外では「フィンドホーン(イギリス)」や

「ダマヌール(イタリア)」などが挙げられます。

 

<居住者ネットワーク型のコミュニティ>

 

居住者ネットワーク型のコミュニティの特徴もいくつか挙げてみます。

 

◯その地域に住む独立した個々の世帯が、

 協力できる範囲で関わり合うという、ゆるいコミュニティの在り方。

 

◯参加する人たちがそれぞれにシェア精神や助け合いなどの理念を持っていて、

 そうした人たちが集まってコミュニティとなっている。

 

◯自転車で移動できたり、車ですぐ行ける範囲程度の広さを

 コミュニティの単位として、ネットワークを作っている。

 

日本国内でも、このネットワーク型のコミュニティが

数十箇所は存在しているようです。

 

代表的な例としては、

千葉県の鴨川や、埼玉県の小川町などが挙げられます。

 

<なぜコミュニティをつくるのか>

 

Rememberではコミュニティをつくることを

創業当初から意識していました。

 

なぜならば、今の日本社会での人間関係は、

どんどん孤立化する傾向にあるからです。

 

人間は一人では生きていくことができません。

ましてや、精神的な病気や心の闇を持った方たちが、

他人の助けなく、状況を改善させたり、

安心して生活していくことはとても困難です。

 

ご家族の会を開催する度に親御さんが仰ることはただ一つ。

親亡き後の我が子が心配」ということです。

 

コミュニティをつくることで、

皆が支え合い、助け合いながら、

安心して生きていける環境を整備することができます。

 

社会から離れ、孤立して生きていけるような

強い人間ばかりではありません。

 

みんな人に頼りたいし、頼りにされたいものです。

僕自身も弱い人間なので、人と関わって生きていきたいです。

 

皆が安心して生きていけるということは、

お金(衣食住)と人間関係に対して安心できることだと思っています。

 

それを実現できる環境づくりが、

Rememberで行うコミュニティ部門の役割なのです。

 

「ココカラ」「ココカラファーム」との連携によって、

より多くの方にコミュニティで生きていくという

新たな生き方の選択肢を提案することも重要だと感じています。

 

現時点でのアイデアとしては、

エコビレッジ型のコミュニティづくりを想定していますが、

 

これからもっと勉強して、

現場での試行錯誤を繰り返しながら、

皆さんから喜んでもらえるコミュニティづくりを

行っていきたいと思います。

 

<参考リンク>

「木の花ファミリー」

https://www.konohana-family.org

「Zen・クエスト」

http://www.zenquest.net/index.php?FrontPage

「学生若者エコビレッジネットワークNextGEN Japan」

https://ngj.jimdo.com/エコビレッジとは/