株式会社Rememberの取り組みについて

株式会社Remember代表・前川航太朗からの情報発信です。

心の闇を取り除くためのアプローチ「①環境整備」

精神的な病気や障害を根本から改善していくために、

心の闇を取り除くことが必要であると、私たちは考えています。

 

前回のブログでは、

なぜ心の闇を取り除く必要があるのかについて述べました。

 

今回と次回で、

私たちが行っている支援の取り組みを具体的に説明します。

 

取り組みを大きく分けると、

「①環境整備」と「②意識の改善」の2つです

 

<①環境整備について>

 

まず、心の闇を取り除くためには、

心の闇が作られた環境と逆のことをすれば良いと考えます。

 

これまで多くの若者たちと接し、

彼らがどのようにして心の闇を持つことに至ったか。

 

それを私なりに分析して、

ココカラ全体で取り組んでいるのが

人間関係8つのルールです。

 

1 否定しない

 (「それは無理」などと頭ごなしに否定しない)

2 抑圧しない

 (本人がAを求めているのに、こちらの都合でBをさせない)

3 強制しない

 (相手の意思を無視して、こちらの都合で行動させない)

4 比較しない

 (比較によって、人は劣等感を感じることになるから)

5 差別しない

 (「あなたは◯◯だから」といった偏見を持たない)

6 放置しない

 (必要に応じてきちんと指導したり、叱ることを怠らない)

7 孤立させない

 (本人の意図しない孤立は、心の闇を作り出すため)

8 怒りを向けない

 (感情的にならない、感情を相手にぶつけない)

 

以上8つを簡単にまとめると、

相手を傷つける言動や行為を行わない、ということです。

非暴言、非暴力は当然です。

 

このルールを皆で守り合うことによって、

思いやりと温かみのある人間関係

自然と構築されていきます。

 

もちろん、誰もが初めから完璧に守ることはできません。

怒りを向けてしまう人も、相手を否定する人もいます。

だけど、それによって相手が傷ついていくことを学びます。

 

私たちは、理想的な人間関係とは、

お互いに傷つける関係ではないことを伝えます。

 

そうではなく、

異なる者同士がお互いを認め合い、

受け容れ合うことによって、

自分にできる形で周りに何らかの貢献していくことだと伝えています。

 

こうした環境で時間を過ごすことが多くなり、

少しずつこの人間関係に慣れてくると、

自然と意欲が湧いてきて、自分を表現できるようになっていきます。

 

例えば、

「◯◯がしてみたい」「実は◯◯だったの」というように、

自己開示ができるようになってきます。

 

また、他人へ思いやりや優しさを示すことができるようになります。

 

なぜならば、この人間関係が担保されていれば、

自分の想いや意欲を否定や抑圧されることがないからです。

 

自分が傷つかない環境だからです。

つまり、安心できているからです。

安心の反対は、不安です。

 

人は自分を否定されたり、怒りを向けられるなど、

自分が傷つけられる可能性のある環境では、不安になります。

 

皆が安心して、自分を表現できる環境づくりが必要なのです。

 

<エネルギーについて>

 

ところで、人が病気になったり、

何らかの症状が表れてしまうのは、

エネルギー不足が原因だと思っています。

 

人は自分の想いや意欲を

否定・抑圧され続けると、エネルギーを失います。

 

逆に、自分の想いや意欲を

認めてもらえて、それに取り組むことで、

どんどんエネルギーが湧いてきます。

 

実はシンプルに、これだけなのです。

(故、飯島秀行先生のフリーエネルギー理論を参考にしています)

 

やりたいことや意欲を尊重して、

どんどん実践してもらうと、

不思議な程に、皆エネルギーが湧いてきて元気になっていきます。

 

他人から喜んでもらえる経験が、

人にエネルギーを与えます。

 

他人から否定される経験が、

人からエネルギーを奪います。

 

実にこれだけなのです。

 

心の闇がある状態とは、

エネルギーがなくなった状態のことなのです。

 

心の闇を取り除くとは、

エネルギーを満たしていくアプローチのことです。

 

だから私たちは、

本人の意欲を尊重できる環境づくりに努めています。

「人間関係8つのルール」がその基本となるものです。

 

もちろん、すべての意欲を尊重する訳ではありません。

相手を傷つけるものや、自然を傷つけるものは、

私たちがきちんと指導します。

(これは「7番の放置しない」です)

 

そして、良質な支援を行うための最大のポイントは、

「支援する側のエゴを出さない」ことです。

 

これが、難しいのですが、

日々、私たちも勉強し、反省しながら、

支援の質を高めていけるよう努力しています。

 

支援する側の人間性・精神性を高めていくことでしか、

支援の質を高めることができないためです。

精神的な病気を根本から改善するために 〜「心の闇」を取り除く〜

ココカラで行う支援の特徴は、

心の闇を根本から取り除くための支援を行っていることです。

 

なぜならば、私たちは、

「心の闇」が精神的な病気・障害の原因と考えているからです。

 

心の闇とは、

家庭内や学校などにおける人間関係が原因で生じていると考えます。

 

具体的には、

相手からの否定、抑圧、強制、差別、比較、

放置、怒りなどが積み重なることで

少しずつ心の闇が生じていきます。

 

または、

相手から傷つけられた経験や

本人が望んでいない孤立経験からも、

心の闇が生じていきます。

 

特に、

乳幼児期の両親からの影響は大きいと思っています。

 

実は子育てにおいて、

母親が知らず知らずのうちに

子の心の闇を作ってしまっているケースが実は多いものです。

 

例えば、子の意思を尊重するのでなく、

親の理想やエゴを押し付けていたりしていると、

子の心に、闇を作り出してしまっているのです。

 

心の闇が増えていくと、

自分に自信が持てずに自己否定に陥ります。

 

自分の力を信じることができず、

自己無力感、自己喪失感を感じます。

 

これが原因で、無気力、無意欲状態に陥り、

抑うつ症状や不安症状、強迫的症状、

強度のこだわり、希死念慮などが生じると考えます。

 

「どうせ私なんて」とか「わからない」が

口癖となることが多くなります。

 

心の闇によって、

他人を否定したり、信用できなくなっていき、

次第に心を閉じていきます。

 

自分のことを否定され続けてきた人が、

どうして他人を否定しないでいられるでしょうか。

 

彼らは、自分がされたことを、

あたり前に相手にもしているだけなのです。

 

彼らは自分がされた経験を繰り返すことが

基本行動となるからです。

彼らに罪はないと思います。

 

心の闇とは、自分を否定するエネルギーです。

そして同時に、他人も否定するエネルギーでもあります。

 

心の闇は、

無邪気に表現できた幼少期の頃や、

親が自分の存在を無条件に認めてくれていた頃など、

元々はなかったものです。

 

少しずつ人間関係が拡がっていくにつれて、

周りからの影響(否定されたり比較されたりすること)によって、

心の闇が生じていくのです。

 

そして、それが一定の量を超えてくると、

目に見える形で精神的な病気や症状となって現れてくる。

 

このため、私たちは精神的な病気や障害に対する

根本からの改善アプローチが必要と考え、実施しています。

 

これは、既存の福祉や医療では行われていないアプローチです。

 

以上より、

ココカラのアプローチは後天的に生じた心の闇を取り除いて、

精神的な病気を根本から改善していくことを目的としています。

 

このため、

先天的障害者(身体障害や知的障害、自閉症など)に対して行う、

既存の福祉の支援スタイルとは明らかに異なります。

 

その上で、先天的障害もありながらも、

心の闇を取り除くアプローチを必要とする者に対しては

ココカラの支援も有効となります。

 

しかし、心の闇を取り除くためには2つの条件があります。

 

1つ目は、

最低限の約束事を守ることができること。

 

2つ目は、

自己変容していくことを受け容れられることです。

 

1つ目に関しては、

「人間関係8つのルール」や「非暴力」といった、

施設内での環境保全のためのルールを守ることです。

 

2つ目に関しては、

「変わりたい」「成長したい」というような、

自分をより良く変えていくための意欲があるかどうかである。

 

以上のことを理解して実践できる方でないと、

ココカラに通所してもほぼ無意味となります。

 

最後に一言、追記させてください。

 

心の闇が生じやすい過酷な環境下でも

あまり闇を作り出さない人や病気にならない人もいます。

 

両親としては同じように育てたのに、

兄は元気なのに、弟は精神的病気になるということがあります。

 

これは、

「鈍感タイプ」と「繊細タイプ」、

「陽(発散)タイプ」と「陰(吸収)タイプ」など、

人間には様々なタイプがあるためです。

 

だから一概には言えるものではないことは、

改めてお伝えさせていただきます。

通所する目的が「わからない」でも大丈夫

<「わからない」が口癖の若者たち>

 

ココカラに来所される方のタイプを分類すると、

大雑把には以下のどちらかに分けることができます。

 

①ココカラに通所する目的が自分なりにあるタイプ

(このタイプは初回面談時に単身で来所することが多い)

②初回は親同伴で来所して、本人は通所する目的が「わからない」タイプ

 

結論から言うと、②のタイプのように

通所する目的がわからなくても大丈夫です。

 

むしろ、①の目的が明確なタイプには、

不安や心配、焦りから、その目的自体が歪んでいる場合や、

かえって自分を苦しめてしまう目的を設定をしている場合があり、

そうした思い込みを修正していく方が実は大変でもあります。

 

②のタイプの当事者と面談していると、

様々な質問をしてみても「わからない」という返答が多いのです。

 

「どういう風に働きたい?」→「わからない。」

「何かチャレンジしたいことはある?」→「わからない。」

 

なぜ、彼らは「わからない」のでしょうか?

 

それは、彼らが、

絶対的に社会での経験値が足りていないからだと思います

 

だから、将来どうやって生きていくのか、

どうやって働いていくのかを

イメージすることができないのです。

 

<社会から孤立してしまう若者たち>

 

何らかの理由があって、社会から孤立することを選び、

不登校状態や自宅にひきこもる状態が続いていると、

社会経験(リアルな人間経験)を積むことができません。

 

家族間のコミュニケーションも希薄なものになっていて、

家族間で感情をぶつけ合ったり、悩みを相談するなどの

時間を共有することも少なくなったようです。

 

買い物をするにしても、

コンビニやネットショッピングが主流となったために、

コミュニケーションをする必要性が喪失されました。

 

今の社会は、コミュニケーションを行わなくても、

お金さえあれば、それなりに生きていける環境に変わりました。

 

その結果、

コミュニケーションに苦手意識を持つ若者たちが増える一方です。

 

そして、彼らは長期的に見ると、次々と孤立化していきます。

人付き合いが上手にできないからです。

 

孤立したとき、本当に頼れるのは親だけです。

親は子の将来を心配しますが、実際にはどうすることもできません。

 

親は悩んだ末に、役場に行って相談するか、

精神科や心療内科を受診することを選びます。

その結果、当事者本人たちは精神疾患発達障害と診断されていきます。

 

そうして、福祉制度が活用できることを知り、

うちのような障害福祉サービス事業所に辿りつきます。

 

これで良いのかと問われれば、

良い訳がないとハッキリと断言します。

 

でも、このような若者たちが増えていることは事実であり、

何より彼らに生きる道標や希望を与えられる環境づくりが必要です。

 

だから、障害福祉サービス事業 「ココカラ」を運営しています。

彼らと接点を持つためには、今の社会構造的に、

障害福祉制度を活用する以外に有用な手段が乏しいからです。

 

<「わからない」を「わかるようになった」に変えるために>

 

ここで話を戻します。

 

社会的に孤立した若者たちは、社会経験が少なすぎるために、

これから実社会で起こることをイメージすることは困難です。

 

だから「わからない」という言葉が出てきます。

これを「わかるようになった」という言葉に変えていくことが重要です。

 

だから、ココカラでは、

様々な経験を積むための環境づくりを行っています。

 

様々な経験とは、

人間関係(上下、同世代、恋愛など)、仕事、自己表現、

問題対処、問題解決、課題の克服、病気の根本からの改善などです。

 

私たちは特別なことをしている訳でなく、

生命の原理原則に則ったことを皆で共有しているだけです。

 

こうした環境である程度の期間、

成長意欲を忘れずに学んでいれば、

わからなかったものが、どんどんわかるようになっていきます。

 

時間はかかりますが、みんな少しずつ解ってきます。

社会の仕組み、人間関係の在り方、

仕事の在り方、生きる意味や目的など。

 

こうしたことを伝えることも、私たちの役割だと思っています。

 

だから、通所する目的が「わからない」でも大丈夫なのです。

「わかるようになる」ための支援環境を整えているからです。

 

ただし、

新しい価値観や考え方を受け容れられる「素直さ」が必要ですが。